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SI総合研究所様  高齢者の遠隔QOL評価における表情反応の分析に心sensorを活用

作成者: 丹治由佳|Jul 3, 2026 1:59:08 AM

 

 

SI総合研究所の研究チームは、高齢者デイサービス利用者を対象に、遠隔QOL評価における表情反応を分析するパイロット研究を実施しました。

本研究では、日本の成人デイサービス利用者8名(平均年齢87歳)を対象に、Zoomを用いて日本語版WHOQOL-OLDによるインタビューを実施。参加者がQOLに関する質問へ回答している間の表情を録画し、心sensor(Affdexを実装した表情解析ソフトウェア) を用いて表情・感情指標を分析しました。

研究の背景

高齢者ケアにおいて、QOLは病気の有無や身体機能だけでは把握しきれない重要な評価項目です。
一方で、QOL調査は主に本人の回答に基づいて行われるため、回答時の表情、関心の強さ、迷い、感情的な反応などは十分に記録されにくいという課題があります。
そこで本研究では、遠隔インタビュー中の表情反応を心sensorで分析し、QOLスコアとの関連を探索しました。

研究方法

インタビューでは、日本語版WHOQOL-OLDを用いて、感覚能力、自律性 、過去・現在・未来の活動、社会参加、死と死にゆくこと、親密さの6領域について質問を行いました。
 参加者が回答している間の表情を録画し、心sensorを用いて、怒り、軽蔑、嫌悪、恐れ、喜び、悲しみ、驚き、センチメンタリティ、混乱、中立、エンゲージメント、バレンス、注意の13指標を分析しました

研究結果

分析の結果、QOLスコアと表情指標の間には、いくつかの特徴的な関連が見られました。
特に、「過去・現在・未来の活動」の領域では、怒り、軽蔑、混乱、バレンスなどの指標との関連が確認されました。また、WHOQOL-OLDの合計スコアは、エンゲージメントと正の関連を示しました。
これらの結果は、高いQOLが必ずしも笑顔やポジティブな表情だけで表れるわけではなく、質問内容によって複雑な表情反応が見られる可能性を示しています。

今後の可能性

本研究は少人数を対象としたパイロット研究であり、表情解析だけでQOLを判断するものではありません。
しかし、遠隔インタビュー中の表情やエンゲージメントには、本人の回答を補助する観察情報が含まれている可能性が示されました。
今後、介護・高齢者ケア領域における遠隔評価や対話支援の一つとして、表情解析技術の活用が期待されます。

掲載論文

Takayoshi Ubuka, Kyohei Takada, Junko Yamaguchi, Keiko Kato, Fumihiko Komai, Takanobu Tezuka, Keiji Hashimoto, Takeshi Hirose, Yoichi Yamane. “Facial affect during remote WHOQOL-OLD interviews in very old adult day service users: a pilot correlational study.” Journal of Geriatric Care and Research, 2026, Vol.13, No.1, pp.20–27. 

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