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新しい「Pain」と「Yawn」指標

本記事は、iMotionsブログ:https://imotions.com/blog/learning/product-news/pain-and-yawn/の翻訳記事となります。


AffectivaのEmotion SDKに、2つの新しいリアルタイム行動指標である Yawn(あくび)Pain(痛み) が追加されました。これらは、メディアテスト、ゲーム、UX リサーチ、各種デジタル体験の分析に向けて開発された AI ベースのシグナルで、疲労、不快感、関心の低下、強い身体的反応などを、低遅延かつ客観的に捉えられるようにするものです。  

目次

iMotions は今回、Affectiva Emotion SDK の機能を拡張し、表情ベースの新しい 2 つの指標、Yawn と Pain を導入しました。これらの指標は、開発者、研究者、メディアチームがデジタル体験の中で生じるユーザー反応を、より具体的かつリアルタイムに把握できるよう設計されています。

従来のように感情を大まかに分類するのではなく、今回の新指標は、実際に観察できる顔の動きや身体的な反応そのものを客観的に捉えることに重点を置いています。そのため、文脈に応じた精密な分析が求められるメディアテスト、ゲーム、eラーニング、UX 調査、広告、インタラクティブ・エンターテインメントといった分野で、特に有効です。 

Yawn(あくび)シグナル

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新たに追加された Yawn シグナルは、あくびという身体的な表情反応をリアルタイムで検出・測定するための指標です。これまで、あくび検出モデルは主に自動車分野やドライバーモニタリング向けに利用されてきましたが、今回のバージョンは、商用リサーチやデジタル体験で広く利用できる SDK 向けに最適化されています。 

このモデルは、ユーザーが「退屈している」「疲れている」といった心理状態を推測するのではなく、あくびに見られる物理的特徴――たとえば、口の開き方、あごの落ち込み、唇の上下の距離など――に絞って測定を行います。つまり、解釈の余地がある感情推定ではなく、誰が見ても確認できる身体反応として扱う設計です。そのため、研究者や開発者は、自分たちの研究目的やアプリケーションの文脈に合わせて結果を判断できます。

学習には、Affectiva の Media Analytics プラットフォームで蓄積された、現実の視聴環境における大規模で多様なデータが用いられています。これにより、年齢層や属性、利用環境、収録条件が異なっていても、安定した性能を発揮しやすくなっています。照明の違い、頭や顔の動き、発話、顔の一部が隠れる状況など、実運用では条件が大きく変わりますが、そうしたばらつきにも対応しやすい点が特長です。

技術面では、この Yawn シグナルは、リアルタイム検出に適した因果型 AI アーキテクチャによって動作します。モデルは、Facial Action Units(顔面動作単位)、口の形状、発話状況、遮蔽情報、さらに統計的特徴量を含む 29 種類の入力をもとに判断を行います。また、将来のフレーム情報に頼らないため、ライブ環境やインタラクティブなアプリケーションでも、遅れの少ない応答が可能です。

さらに、誤検出を抑えて安定性を高めるため、空間的・時間的なフィルタリングも組み込まれています。たとえば、偶発的な口の動きや、0.5 秒未満の短い動きのように、本物のあくびとは言えない反応は除外されるようになっています。 

その結果、このシグナルは、コンテンツ評価、eラーニング、ゲーム、ユーザビリティ調査の中で、注意力の低下、疲労、関心の薄れといった場面を見つけるための、非常に実用的な行動指標として機能します。 

Pain(痛み)シグナル

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Yawn に加えて、Affectiva は Pain(痛み)シグナルも導入しました。これは、痛みに関連する顔の表情反応をリアルタイムで測定するための新しい指標です。 

学術分野における従来の痛み推定モデルは、UNBC-McMaster Shoulder Pain Dataset のような臨床データセットを用い、Prkachin and Solomon Pain Intensity(PSPI)尺度のような枠組みで学習されることが一般的です。Affectiva は、こうした考え方をベースにしつつ、より幅広い商用 SDK の用途に適用できる形へと発展させています。ただし、その中心にあるのはあくまで、観察可能な顔の動きそのものを捉えることです。 

この Pain シグナルも、Yawn と同様に、ユーザーの感情状態や心理的苦痛を広く推測するものではありません。そうではなく、痛みに伴って現れる顔の身体的反応を客観的に測るためのものです。 

シグナルの値が高い場合は、強い身体的な痛み反応が出ていることを示します。一方で、比較的弱い反応であっても、不快感や「うわっ」と身をすくめるような感覚、あるいは見ていてつらいと感じる瞬間を捉えることがあります。そのためこの指標は、刺激の強い映像、ドラマ性の高い表現、挑発的なコンテンツ、没入感の強い体験などを評価する際に、特に有効です。 

このモデルも、Affectiva の Media Analytics クラウドプラットフォームで収集された豊富な実視聴データをもとに学習され、SDK 利用向けに最適化されています。最終的なシステムでは、因果型・非因果型の AI を組み合わせたうえで、モルフォロジカルフィルタリングを含む高度な時間的クリーニング処理を加えることで、誤検出を抑え、安定性を高めています。 

さらに、顔の他の表情と矛盾する反応が見られる場合には、空間的なフィルタリングによって不要な活性化を抑える仕組みも備えています。これにより、さまざまな実環境や多様なユーザー行動の中でも、より信頼性の高い計測が可能になります。 

開発者、研究者、メディアチームにとって、この Pain シグナルは、ゲームプレイ、映画予告編、リアクション動画、広告、インタラクティブ体験などの中で、ユーザーが強い身体的反応を示した瞬間を正確に特定するための新しい手段になります。 

この機能は、ユーザーがどこで不快さを感じたのかを深く理解するうえで非常に有用であり、コンテンツ改善や体験設計の質向上にもつながります。痛みの計測やマルチモーダル評価についてさらに詳しく知りたい場合は、解説ガイドも参照できます。

行動計測の可能性をさらに広げる新指標

Yawn と Pain の 2 つのシグナルは、Emotion SDK における Affectiva の行動計測をさらに発展させるものです。従来のように感情を大まかに分類するだけでなく、より具体的で文脈に即した行動シグナルを提供することで、既存のエンゲージメント分析や感情分析を補完できるようになります。

ユーザーの身体的反応をこれまで以上に細かく把握できるようになることで、研究者や開発者は、より適応的で、反応性が高く、精密に評価されたデジタル体験を設計しやすくなります。 

 


※YawnとPainは、近日中にバージョンアップしたAffdex SDK/心sensorでご利用いただけるようになる予定です。

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2026年06月16日

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